2ストの動画を見てしまった!2ストとはなんだ?
現在のバイクは4ストローク(4スト)が主流です。
だからこの4ストが「当たり前」な状況で日頃バイクと接しているわけですが、昔は2ストという種類も存在していました。
先日2ストのバイクの動画をみる機会があって、つい懐かしい気持ちになってしまったのです。
バイクに馴染みがある人ならすぐにわかる、パワーの違い。
おなじみの4ストのエンジンでは吸入、圧縮、爆発、排気の工程を1ずつ行っているのに対して2ストのエンジンでは吸入と圧縮、爆発と排気を一緒に行っています。
それでどんな違いが出るのかというと、簡単に言えば「同じ排気量なら4ストよりも2ストの方がパワーを出すことができる」のです。
昔はもっとたくさんのバイクで2ストのエンジンが採用されていました。
それこそレースの世界ではこっちが主役、50ccクラスでは2ストしかエントリーしなかった、なんて話もあったほどです。
80年代は日本のバイクシーンにとって黄金時代とも言える時期でしたが、2ストはそんな「素晴らしかった時代」を象徴する技術のひとつだったのです。
2ストの魅力とは?
2ストエンジンの魅力はやっぱり4ストよりも優れたパワー、そして4ストにはない独特のエンジン音も挙げられます。
実際に2ストのバイクに乗って直接そのサウンドを今聞いたら、さぞかし迫力があるだろうな、と思えるほどです。
一方、パワーがある分扱いが難しく、2ストエンジンのパワーを活かすためにはそれなりのテクニックが必要です。
これが玄人受けする理由にもなっていますし、逆にうまく使いこなせるテクニックがあれば、そのパワフルな走りで4ストでは得られない爽快感を味わうことができます。
そしてもうひとつ、4ストに比べて2ストのエンジンは軽量なため、バイクの車体そのものが軽量・コンパクトになっている点も特徴的です。
軽快かつパワフルに走行できる、これなら2ストが今でも根強い人気を持っているのも納得というものです。
こんなに素晴らしいのに、どうして4ストの方が主流になってしまったのでしょうか?
それは2ストの大きな弱点、優れたパワーに対して排気ガスの問題があったようです。
2ストは4ストと比較して排気ガスの中に一酸化炭素が多く含まれており、90年代以降高まっていった排出ガス規制の動きにうまく対応できずに製造をやめるメーカーが続出していったのです。
燃費性能があまりよくない点も、現代的な視点からすると大きなデメリットと言えます。
このように大きな魅力と欠点を備えた2ストのバイク、今後バイクシーンで巻き返しが起こる可能性は低そうですが、その魅力からバイク好きの間で今後も語り継がれることは間違いないでしょう。